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知的会話のための英語 (CD book)

知的会話のための英語 (CD book)

カール・R. トゥーヒグ

知的会話のための英語 (CD book)

定価: ¥ 1,890

販売価格: ¥ 1,890

人気ランキング: 204921位

おすすめ度:

発売日: 2004-06

発売元: ベレ出版

発送可能時期: 通常24時間以内に発送



ハッタリ負けの英語本
中古でだが本書を購入した自分を恥じてしまった。しかし考えさせられる一冊ではある。

まず惹句がいやらしい。「教養ある欧米人と英語で対等に話せるようになる」…なんてことはほとんどの日本人には不可能である。いや、分野次第で不可能とは言い切れないが、「対等」というのを「英語力」でのみ捉えるならばムダムダ。そもそもそんな物差しで「対等」を夢見ること自体ナンセンスだ。

次、「欧米のホワイトカラーやインテリ層との会話には、宗教・歴史・文学・思想などの知識が背景となっていることが多く、そのような人たちと対等に話すには、英語力だけでなく、それなりの“欧米的教養”を身につけることが不可欠です」…これは知的脅迫ではなかろうか?「欧米的教養」を身に付けたい人は自由だが、「でなきゃ欧米人のインテリとは話せないよ」とは何事?謎の単語や概念を持ち出されたら堂々と「それは何だ?」と聞いて説明させればいいだけのこと。仮に相手がそれで「この日本人、無教養だな」とせせら笑うのであれば、それは当人の問題だ。バカは好きなようにヒトを見下すというのが万国共通だというだけのこと。何故そこまで「欧米的教養」の土俵で英語を駆使しなければならないのか?

しかしこの本、中味はフツーの単語集だったりする。多少はbig word系かという単語は登場するが、言語使用領域で言うならば、大学教育を受けた大人が普通に使う単語たちで、雑誌や書籍を読む上で最低限度の語彙量という印象。「ad misericordiam」「tu quoque」「post hoc」「ergo propter hoc」やらべらぼーなラテン語句も出ているがハッタリに過ぎない。「英語で哲学書を読むのが趣味」とかいう方でもなければ、その場で覚えてみても「見ない・聞かない・使わない」ままに一週間後には目出度く忘れ、一生思い出すこともないだろう。やる気があればなんでも使いようではあるが、このように欧米的教養という知的脅迫を含んだ本はご勘弁、というのが正直な感想。

他との併用でいいんじゃないか
本書は思想や理論の専門書ではない、単語集なのだと考えれば、とても有益な単語集だと思う。確かに著者の理解・解釈には、専門家(又は専門に勉強した人)から見れば納得のいかない説明があるかもしれないが、かといって、日英もので、これだけ広い分野のことを扱っているものがあるかといえば、他に多くは無いはずだ。

単独で表したという著者の向学心に感心しつつ、英単語の習得のためだと読み進めれば問題は無い。内容的なことはThe Dictionary of Cultural Literacy等で抑えればよいのであって、これを読むための基礎としての位置づけでも良いかもしれない。

付属のCDは、フルで録音してくれればより価値が(値段もか?)高まるはず。少なくともラテン語の部分を単語と文章で録音してほしかった。なぜなら、リスニング教材でもないのだから、発音しにくい聞き取りにくい単語の音声こそ、付属CDの意義があるからだ。

ということから☆は4つとした。

ある意味では良書
この本の内容にどれだけツッコミを入れることができるかどうかで

自分の知的レベルが判るという反面教師のような本です。

文化人類学、哲学、政治、宗教、言語学、自然科学など多岐に渡って

ここまで中途半端かつ的外れだとある意味で爽快感があります。



以下、私のツッコミ例。



「部族内の一番の権力を有する者とシャーマンの間には衝突があったはずです。

これこそが政治の始まりだったのかもしれません。」



狩り、夏を支配する族長と、祭り、冬を支配するシャーマンとで完全に分かれる。

少なくとも近年までのイヌイットではそうであった。



「哲学こそが科学と宗教をつなぐかけ橋なのかもしれません。」



science は philosophy そのものである。別物ではない。



「アイザック・ニュートンは、(略)宇宙は引力 (gravity) によって支えられており、

また時間と空間は絶対的 (absolute) なものであると信じていました。」



遠隔相互作用である万有引力は果たして合理的か。

事実としてニュートン本人も疑問に思っていた。

logical system としては単純記述が可能になったが。



「現代における国とは、同じ言語、同じ歴史、同じアイデンティティ (identity) に

対する強い思いを共有する人々の集まりのことを指します。」



単一民族幻想はもはや日本ですら崩壊した。

IRA のテロによる "bomb scare" が当たり前であった UK 出身の筆者が

England Scotland Wales Cornwall Ireland そして移民による

ぐちゃぐちゃな言語環境、異なる文化、民族自認について知らないはずがない。



etc.



「英語で」以前に、広く深くたくさんの本を読んでおかないと

まともな「知的会話」なぞできないという好例だろう。

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